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GNOMEにおけるウィンドウ基本操作

  1. ウィンドウサイズ

    快適な操作のためには自分の感性にあったウィンドウの表示が大事です.そのた め,デフォルトで表示されるウィンドウのサイズを変更することは誰でもよく 行う作業でしょう.基本的な操作はLinuxでもWindowsでも変わりありません.ウィ ンドウの右や左の枠にマウスカーソルを合わせるとカーソルの形状が矢印に変わ り,ウィンドウの左右の表示サイズを変更できます し,下の枠にカーソルを合わせれば上下のサイズが変更できます.右下や左下にカーソルを合わせる と,縦横のサイズを同時に変更できます.

    ウィンドウの上部,右の方にあるボタン類にも注意して下さい.ここには,図1 に示すようなボタンが並んでいます.

    図1 アイコン化ボタン

    右端の×印ボタンはウィンドウを閉じる,もしくは,アプリケーションを終了するボ タンです.左の下向き三角は「アイコン化」ボタンです.このボタンをクリック すると,ウィンドウがタスクリストに畳み込まれます.タスクリストは,図2に 示すもので,デフォルトでは上のパネルに配置されています.

    図2 タスクリスト

    ここに入れられたアプリケーションやウィンドウはその名前が表示されている 「タグ」をクリックすると元に戻すことが出来ます.また,ウィンドウの裏に隠 れているようなものも,タスクリストの該当するタグをクリックすることで前面 に出すことが出来ます.

    図1の中央の上向き三角ボタンは最大化ボタンですが,Windowsと比較して機能が少し加わっています.まず, 普通にクリックすると,ウィンドウの最大サイズに合わせて拡大されます.クリッ クするごとに最大化と通常サイズが切り替わります.次に,マウスの「中ボタン」 でその上向き三角ボタンをクリックしてみましょう.そうすると,縦方向だけに 最大化されます.また,「右ボタン」でクリックしてみましょう.こんどは横方 向にのみ最大化されました.覚えておくと便利な機能です.

    最後に,タイトルバーの左端のブドウマークをクリックしてみましょう.ウィン ドウに関して可能な操作のメニューが表示されます.最初は言葉が分からないも のが多いでしょう.ウィンドウ全般にわたる見た目の設定などとは別に個別に見 かけを変更できたりするようになっています.別に使わなくても良い機能ですが, とりあえず「UNIX」らしい,個別に何でも好きなように設定できる道筋が用意さ れています.

  2. ウィンドウの移動

    ウィンドウを必要な場所に移動することも良くあります.タイトルバーをマウス で「ドラッグ」することにより移動できるのはWindowsと同じです.GNOMEデスク トップでは上部のパネルにタイトルバーがかかってしまうことが良くあります. そして,タイトルバーが上部のパネルに隠されてマウスでドラッグするために素 早くクリックとドラッグを繰り返す必要が出てくることがありますし,また,と きには,表示範囲を越えてタイトルバーが上に上がってしまい移動できなくなる こともあります.そのようなときには,ウィンドウのどこでも良いので「Alt」 キーを押したままドラッグしてみて下さい.ウィンドウの移動が可能です.

  3. マウスの操作

    • ボタンの種類

      先ほどから見ているようにマウスの3つのボタン,左,中,右をUNIXでは使い分 けます.この教室では中ボタンがスクロールボタンとなっていますが,スクロー ル機能は使用できません.中ボタンとしての操作のみ可能です.通常のクリック やドラッグなどは全て左ボタンで行います.右ボタンは,そのクリックした対象 に対して操作可能な選択肢を表示するメニューに対応しています.これは,UNIX やLinuxの共通操作ではなく,GNOMEが利用している「ツールキット」によるもの です.ですので,GNOMEのデスクトップにおける操作や,GNOMEが用意しているア プリケーション,また,GNOMEとおなじ「ツールキット」を利用して開発された アプリケーション(電子メールツールのSylpheedやフォトレタッチのGimpなど)で は同じインターフェイスで利用できます.

    • 右クリックによる便利な機能

      右クリックによる操作のもう一つの例として「ティアオフメニュー」があります. GNOMEメニューを表示させて,図3の赤い線で囲んだ領域,上部の端と点線の間の 部分を右クリックしてみましょう.すると, メニュー自体がウィンドウとなって図4のように切り離されます.必要なメニュー を常に表示したい場合に使用する操作ですが,デスクトップだけではなく同じツー ルキットを使用していれば個別の アプリケーションの中のメニューにも対応しています.

      図4 右クリックを行う場所 図5 メニューの切り離し

    • 中ボタンによる操作の例

      中ボタンは,「ペースト」の際に利用するのが多いでしょう.GNOMEパネルの中 のアイコンをクリックしてGNOME標準テキストエディタである「gEdit」を起動し, その中で試してみることにしましょう.

      起動が完了すると,図6のような画面が表示されます.

      図6 gEditの起動画面

      「テキストエディタ」とは文字入力を行って文章を作成する機能だけを持つアプ リケーションで,略して「エディタ」と呼ばれます.このテキストが表示されて いるWWWブラウザの文字部分どこでも良いのでマウスの左ボタンでドラッグして 選択します.そして,そのまま今度はgEditのウィンドウをクリックして,文字 入力エリアで中ボタンをクリックします.文字がペーストされたのが確認できま したでしょうか.

      UNIXでは,領域を選択しただけで,その領域の文字部分が「バッファ」とよばれ るメモリに格納されます.中ボタンをクリックすると,そのバッファ中の文字が クリックした場所に張り付けられるのですが,その際に特別にコピーや切り取り などの操作を必要としません.ただし,Netscapeなどでは,「編集」メニューに ある操作を実行した方が確実に「コピー&ペースト」できるので,メニュー 操作も利用した方が良い場合もあります.


関連サイト

実際にウィンドウの細かい動作を担当しているのは,「ウィンドウマネージャ」 というもので,ここではGNOMEと連携して「Sawfish」と言うものが仕事をしてい ます.

Sawfish紹介サイト


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