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地球と磁気

方位磁石は,我々が最初に磁力と言うものの不思議に触れる器具ではないでしょ うか.地球は,内部に金属が高温で液体化したマントルを有しています.地球の 自転の影響もあり,この液体金属は非常にゆっくりと対流を生じていますが,そ の金属の回転が地磁気を生み出します.(図1)磁極の位置は大体自転 軸と等しいため,磁力により南北を把握することが可能になるのが,方位磁石で す.

図 1: 地磁気の概略
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方位磁石のN極が北を指すことは広く理解されています.NはNorthの略ですね. 反対はS極で,こっちはSouthの略です.では,地球の北極はN極でしょうか.ちょっ と考えると分かると思います.

地球の磁気のことを地磁気と言いますが,この地磁気は地球が生まれてからずっ と安定していたわけではありません.数十回にわたり,地磁気の逆転が起きてい ることが鉱石の研究から分かっています.なぜ,地磁気が逆転するのかについて はまだ研究が必要ですが,地磁気が逆転したことがなぜ分かったのでしょうか. ここに,熱磁気記録と言う,現在のMOやMDで使われている技術の元が隠れていま した.

地球の磁気は北極と南極付近が湧き出し,吸い込み口です.その付近では磁力線 が密集するため,磁力が強くなっています.それにより生じる壮大な自然現象が オーロラです.人間が浴びてしまうと死んでしまうと言われる太陽風はプラズマ と言うイオン化した粒子ですが,その電気と地磁気との作用で極地でのみ見られ る発光現象です.

地磁気は生物の生態にも影響しています.渡り鳥は地磁気を感じて正確に目的地 を目指しますし,ミツバチやアリにも地磁気を感じる能力があると言われていま す.磁性細菌と言う,磁界に沿って並ぶことしかできない細菌もいます.



平成15年8月19日