6. テキストエディタ

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テキストエディタとは、これまでも何度か出てきましたが、文字を入力して文章を 作成する道具です。WindowsやMacintoshなどのいわゆるパソコンにも備わっていま すが、文章の作成というとワープロを使用する場合が多いのではないかと思います。 ワープロとは、文章の整形機能 (文字の見た目の変更、文字の位置ぞろえなどの機 能) を重視した文書作成ツールです。一方、エディタというのは、文書の作成機能 だけを持つもので、整形機能は持ちません。UNIXでは、伝統的に文書の整形は LaTeXという組み版ソフトが用いられていたため、エディタで文書を作成し、 LaTeXのコマンドで整形する形式が長らく用いられてきました。また、UNIXでは種々 の設定ファイルがテキストファイルであるため、環境設定もファイルをエディタで 編集することにより行われます。そのため、何をおいてもエディタだけは使いやす いものが必要であるという歴史があります。ここで、使いやすいというのは、全く 個人の趣味や嗜好に依存するので、その結果いくつかのエディタが開発されました が、大きく分けて3つのタイプに分類できます。以下に代表的なものを紹介してお きます。

  1. vi

    vi は主にシステム管理者によって使用されるエディタですが、これが好きな人は とことん好き、という趣味の分かれるエディタです。ターミナルで使用するので、 動作が軽く環境を選びません。ネットワーク越しにサーバを設定する、というよう な用途では必須のエディタといえます。viとは VIsual editor の略で、一行ずつ の編集しかできなかった頃にはこれでも十分に visual だったということでしょう。 特徴は、モードがあることで、「編集モード」と「入力モード」があります。すな わち、文字の削除やペーストなどの編集と文字の入力は別のモードで行うため、同 時にはできません。時として、混乱の元ですが、慣れると重宝します。また、カー ソルの移動がhjklのキーに割り当てられているので、文字入力と編集とでキーボー ドから指を離さないで操作ができるのも人気の理由です。

    UNIXでは、このように、キーボードから指を離さない、といのが重要なポイントで、 そこが好みの分かれ目になることもよくあります。

  2. Emacs

    Emacsとは、単なるエディタにとどまらない高機能な統合環境です。ほとんどの操 作がキーボードだけでできるようになっているため、プログラマのようにキー入力 が多い人たちにはホームポジションから手を離さないですべてのことができるため、 根強い人気があります。また、日本語が扱えるように多国語拡張したものをかつて Mule と言っていたのでいまだに Mule という人もいます。今は、Muleの機能まで Emacsが持つようになったので、単にEmacsと言えば、多国語が利用できます。それ から、 XEmacsというよりウィンドウシステムを意識したものも独自に開発されています。 こちらは、ボタンやメニューが充実しているのが特徴です。ここでは、操作感を試 すのにXEmacsを起動してみましょう。面倒ですが、モニタにGのマークのアイコン をクリックして立ち上がるターミナルに、

    $ xemacs &

    と入力します。もしくは、GNOMEメニューの「AnotherLevelメニュー」 「Applications」「Editor」「XEmacs」とたどります。すると、新しいウィンドウが立ち上がります。これが、XEmacsです。 起動時には、注意事項などを載せた文書が開かれるようになっていますが、何かキー 入力を始めるとそれらは消えてしまうようになっています。(一部、文書が残りま す。)メニュー項目をマウスを使用して開いていってみるとどのような操作が可能 かが分かります。

  3. gEdit

    gEditはGNOMEの環境に合わせて作られているエディタです。最近は、デスクトップ 環境に合わせてエディタも用意するのが主流ですので、別の統合デスクトップ環境 であるKDEですと同様にKEditが用意されて います。また、Vine Linux には独自に VEditというのが準備されています。これ らに特徴的なことは、動作が軽いこと、機能は最小限に押さえられていること、メ ニューやボタンを活用して初心者にも使いやすくしていること、などがあり、 Emacsとは対極に位置しています。GNOMEメニューから「アプリケーション」の「テ キストエディタ」を 選択すると起動できます。gEditは一度に複数の文書を開いて編集することもでき るようになっています。


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