ファイルマネージャとはディレクトリ(Windows的に言うと「フォルダ」です)に あるファイルを表示したり,ファイルのコピーや削除などをGUIで行うプログラ ムでWindowsのエクスプローラのようなものです.(実際にはエクスプローラはシェ ルに近い仕事をしてますが..)ここでは、gmc(gnome midnight commander)とい う、標準で備わっているもの(図6)を使用してみます。
ファイルマネージャの起動には大きく二つの方法があります。一つは、デスクトッ プのHome directoryアイコンをダブルクリックする方法です。もう一つは、 GNOMEメニューを開いて、「ファイルマネージャ」を選択する方法です。実は、 もっともLinuxらしい(UNIXらしい)方法は、ターミナルからコマンドで起動 する方法ですが、そのような作業はのちほど別の機会に紹介します。
さて、gmcは起動すると、まず、自分のホームディレクトリの中身を表示します。 ホームディレクトリはUNIX系に特有の言葉でしたが、最近ではマルチユーザを想 定したWindowsNTやWindows2000の普及により一般的な言葉になってきていま す。ホームディレクトリとは、複数のユーザが一つの端末(パソコン)を利用 することができるシステムにおいて、他人の大事なファイルを操作したり、中 を見たりすることを制限するために、各人に割り当てられている領域のことで す。ディレクトリとは、ハードディスクの中身を整理しやすいように階層的に 分類したものですが、最近ではフォルダと言った方がわかりやすいかもしれま せん。要は、自分がすべての操作権限を持っているフォルダがホームディレク トリです。
ディレクトリは階層構造をなしているので、ホームディレクトリの中にさらにディ レクトリ作成し、また、その中に別のディレクトリを作成する、と言うようなこ ともできます。自分の管理しやすいようにファイルをまとめておくことが大事 です。
gmcの表示形式は、Windowsのファイルマネージャをまねていますので、Windows の操作経験があればすぐにわかると思います。メニューバーとボタンが上部に あり、ウィンドウの左側はディレクトリの階層構造をツリー状に示すウィンド ウ、右側が実際にディレクトリ(フォルダ)の中身を表示するウィンドウです。 ここで、右側のウィンドウの表示形式は、メニューボタンの「アイコン」「簡 易」「詳細」によって変更することができます。また、「設定」メニューから 「設定」を選択すると、より細かい設定が可能です。特に、「ファイル表示」 パネルの「隠しファイルを見る」がチェックされているかどうかで表示される 中身が大きく異なりますので、注意してください。隠しファイルとはファイル 名が . (ピリオド)で始まっているファイルのことを指しますが、その名前から 「ドットファイル」と総称されるこれらファイルは主に自分の環境設定ファイ ルもしくはディレクトリであることが多いです。大事なファイルですので、誤っ て消去しないように十分に注意しましょう。
ここでは、自分で実際にいろいろなディレクトリを見てみましょう。Linuxでは 大事なシステムに関するファイルは普通のユーザでは変更できないようになっ ていますので、いろいろなところに入っていってディレクトリの中身を見ても 構いません。