本研究室で製作した,DCモータで駆動される並列二重倒立振子系の実験装置を紹介します.DCモータはPWMドライバで駆動され,台車の位置および振子の振れ角はポテンショメータで測定されます.パソコンとDSP(エムティティ
s-BOX)をコントローラとして使用し,プログラミング言語は,DSP付属のC言語を用いました.状態フィードバックによる倒立安定化の制御実験ができます.
設計図は2次元汎用CADソフトRootPro CAD Standard(フリーソフト)で作成しました.
本実験装置は,倒立振子実験装置(レール長0.6m)の振子部のみを変更したものです.
図1 並列二重倒立振子実験装置
図2 並列二重倒立振子実験装置(台車部)
図3 並列二重倒立振子実験装置(台車部)
図4 並列二重倒立振子実験装置(台車部)
状態フィードバック制御による並列二重倒立振子の安定化制御実験の動画(WMVファイル) 飽和制御([1]の拡張形)によって安定化しました(台車移動幅の上限を0.4mと設定).倒立振子の安定化は,各(等価)振子長を長くすればより簡単になり,小さな出力のモータでも可能となります.さらに,並列型倒立振子の場合,良好な可制御性を得るため,各振子の長さに差をつけます.
LQや極配置法でも安定化可能と思います.
[1] K.Yoshida and I. Matsumoto, ``Stabilizing control for an inverted pendulum
with restricted travel, Proceedings of the 2009 American Control Conference,
pp. 543-548, 2009.
図面1(PDF) 振子支持板(折り曲げ前)
振子部の主要部品表
No. | 部品名 | 会社名 | 型番 | 個数 | サイズ | 材質 | 備考 |
1 | 振子用ポテンショメータ | 緑測器 | CP-2UN | 2 | - | - | 測定角90°,無接触型 |
2 | 振子支持板 | - | - | 1 | T=2mm | アルミ合金(A5052) | 折り曲げ加工 |
3 | 振子の重り | - | - | 2 | T=10mm×25×18mm | ジュラルミン(A2017) | - |
4 | 振子 | - | - | 1 | T=3mm×798×10mm | ヒノキ材 | - |
5 | 〃 | - | - | 1 | T=3mm×320×10mm | 〃 | - |