コンピュータセミナー
2001.6.29
ターミナルにおけるコマンド操作は慣れて来ると非常に効率良く作業ができるので、 UNIX系のシステムにおいては必須の要件である。しかしながら、初心者にはなかな か難しいことも周知の事実である。その理由は、コマンド操作には多数のオプショ ンがあり、自分の希望する操作が分かりにくいことが一つにある。
そのような分かりにくい操作を行う際に役に立つのがオンラインマニュアルと呼ば れるもので、man コマンドによりコマンドの操作方法を調べることがで きる。通常は練習としてまず、その man コマンド自体の操作方法を練習 するために
$ man man
とするのが常である。上のように、コマンド man に続けて使い方を知り たいコマンド名を引数として入力することにより操作方法が分かるようになってい る。ただし、その説明が理解できるようになるのにも少し時間がかかるようである。
なお、Vine Linuxにおいては、日本語化されたマニュアルを見るためには jman コマンドを指定すると良い。中には、日本語訳が無いものもあるので、 その場合は英語を読んで理解することになる。また、例えば、パスワードを変更す るコマンドである passwd に関しては、マニュアルが一つではない。オ ンラインマニュアルは内容別にいくつかのグループ(セクション)に分けて整理されており、 passwd は1番目と5番目の二つのセクションにそれぞれ別の説明が入っている。普通に
$ man passwd
とすると、1番目の方が呼び出されることになっており、5番目の方は見ることがで きない。そのようなときには自分で数字を指定して、
$ man 5 passwd
のようにすると、5番目のセクションにある説明を見ることができる。
また、もう一つのオンラインマニュアルである info については、 XEmacsを使用して作業しているときに比較的簡単に見ることができる。メニューバー の一番右側に「ヘルプ」という項目があり、その中から「マニュアル」「info」と たどって行くと良い。そうすると、XEmacsの入力画面がInfoのものになり、あらか じめ用意されている多数の情報にアクセスできる。太字になっているところにカー ソルをおき、Enterキーを押すとその項目に進むことができる。項目は階層構造に なっているので、更に必要な場所にたどり着くまで操作が必要である。上の方に→ ボタンが表示されるので、wwwブラウザと同様の感覚で上下に進むことができる。 終るときには「EXIT」のボタンをクリックする。
教科書p.202
ディレクトリ操作については未だにかなりの人が悩んでいるようである。Rubyのス クリプトが動かないエラーについてもディレクトリを間違えている例が結構見られ る。そろそろ慣れて欲しいものであるが、教科書にあるコマンドを一通り練習して 感覚をつかむことをお願いする。
当分の間はディスクがいっぱいになることは無いので、間違って作ったファイルやディレク トリの消去は必要無いが、練習がてら削除の操作も試しておく方が良い。
教科書p.207
ファイルを操作するコマンドについても、Rubyのスクリプトの例で同様な事をやっ ているので、動作について知っている人もいると思う。特に、ファイルの中身を見 る cat やファイルの移動を行う mv 、コピーする cp 等は使用頻度が高いので十分に練習しておく必要がある。
教科書p.212
今まで全く触れてはいなかったが、電子メールにファイルを添付するときなどはデー タの容量を小さくしてネットワークへの負荷を下げるために、ファイルを「圧縮」することが良く行われる。また、複 数のファイルを添付する際にも、一つにまとめてから添付することが多い。そのよ うにファイルをまとめてしまうことをアーカイブと呼ぶ。次節の圧縮/伸長と併せ てネットワーク上のファイルのやりとりで良く行われる方法であるので、知ってお く方が良い。Linuxでは、それもコマンドで行う。
tar に関しては自分でアーカイブにまとめることはあまり無いと思うが、 アーカイブされたファイルを開くことはこれからあるかも知れない。主として 開く方の実習が大事であるが、そのためにはとりあえず何かアーカイブしない と行けないので、両方の練習をしておいて欲しい。
教科書p.214
ファイルの容量を小さくして転送することはネットワークの初期から行われており、 今でもシェアウェアやフリーウェアのダウンロードには欠かせないものである。 UNIXにおいては、gzip というコマンドが圧縮、gunzip が伸長 である。ここで、伸長の代わりに「解凍」という言葉を使う人が結構いるが、別に 冷凍しているわけではないので不適切な用法であるので注意しよう。なお、アーカ イブ、伸長については今日の実習の方でも作業する。
Rubyを利用した単語登録ユーティリティの導入
教室の端末で日本語入力を行う際にはかな漢字変換サーバとしてかんなを利用する。 かんなの変換効率や精度はあまり良くないので、使いやすくするためには、自分で こまめに単語登録をして、よく使う熟語などを入力しやすくするのが一番である。 しかしながら、通常、かんなの辞書登録はエディタのEmacs上から行うようになっ ており、不便である。そこで、Rubyを利用した登録ユーティリティが作られている ので、それを自分の環境で利用できるようにする。
まずは、ツールの置いてある場所のURLを紹介するので、そのページを見てみる。 各自、以下のページを参照してみること。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8421/canna/index.html
ページにはどのようなツールであるのかについてスナップショットによる説明があ るので、それでだいたいの感覚は理解できると思う。次に、ページの中にあるダウ ンロードのリンクをクリックして自分のパソコンにソースをダウンロードする。ク リックすると、netscapeが保存場所を聞いてくるので自分で好きな場所を指定して 保存すればよい。ダウンロード中はバーにより進行状況が表示され、終わるとその ウィンドウは消える。(ネットワークの混み具合にもよるが、普通は一瞬でおわる。 )
ダウンロードが完了すると、自分のホームディレクトリの指定した場所に cannaTool-1.0.tar.gzというファイルができている。それを今日学習し たアーカイブ関連のコマンドを利用して伸長する。方法もwebページに出ているの で、参考にすること。伸長が終わるとcannaTool-1.0/というディレクト リができているので、ディレクトリ操作のコマンドを使用して、そのディレクトリ の中に入る。次に、webページで紹介されているようにRubyのコマンド起動により 辞書登録ツールを起動する。起動時にはバックグラウンド処理を意味する&をつけ ておく方がよい。
動作を確認したら自分で登録作業などを行ってみること。入力方式をローマ字入力 とかな入力で切り替えられるようになっているが、そこは今のローマ字入力のまま で変えない方が動作が安定していて良い。
また、興味があればスク リプトの中身を見てみるのも面白いかもしれない。ただし、このスクリプトは Ruby/GTKというGUI環境用の拡張ライブラリを使用しているので教科書には無いメ ソッドなどがたくさん出ており、理解はできないと思う。その辺りをもう少し知る には、
/usr/doc/ruby-gtk-0.24/sample/testgtk/
のディレクトリにあるサンプルプログラムをいろいろ試してみるとよい。
授業の終わり頃に次回までに提出する課題を発表するのでアナウンスに注意すること。また、発表されたら課題を表示するためには、一度このページを再読み込みする必要があるのでNetscapeのボタンをクリックする。そうしないと、課題のページは表示されない。
第13章のコマンドの残りについて実習する。表計算アプリケーション(スプレッド
シート)についても操作を練習する。