情報科学概論
2000.4.18



  1. 本日の作業内容



  2. 基本操作

    起動


    前面パネル右上のまるいボタンを押して起動する。通常の設定であれば省電力モードになっていたディスプレイに信号が送られ、ディスプレイも起動される。

    メモリチェックやハードウェアチェックが行われた後、LILOが起動する。LILOとはLInux LOaderのことで、ここで、LinuxとNTの起動が選択できる。何もしなければ30秒後にLinuxが起動するよう設定されている。LILOが表示されているときに、Enterキーを押すと、その時点でLinuxが起動する。

    Linuxのファイルシステムのチェックおよび各種デバイス、モジュールのロードが終了すると、ログイン画面が表示される。


    ログイン


    マルチユーザに対応したシステムでは登録ユーザだけが端末で作業できるように設定されている。端末で作業を行うために、ユーザの認証を行うが、認証により端末の操作が可能となることをログイン(もしくはログオン)という。通常は、ユーザ名とパスワードにより認証作業が行われる。

    本システムでは、端末起動時にコンソールログインと呼ばれる文字ベースのログイン画面が表示されるので、画面の指示に従って、ユーザ名とパスワードを入力する。パスワードの入力中は画面に何も表示されないので、注意すること。キー入力を間違えたときはログインに失敗するので、再びユーザ名の入力から行う。なお、Ctrlキーをおしたままuを押すと、パスワード入力が取り消されるのでCtrl+uの後、改めてパスワードを入力しなおす方法も可能である。

    現在、仮パスワードが設定されているので、授業の中で行われる説明をよく聞くこと。


    パスワード変更

    現在設定されているのは仮のパスワードなので、今後利用するための自分で決めたパスワードに変更する。通常のシステムであれば、

    passwd

    というコマンドでパスワードの変更を行うが、冒頭で説明したように本教室はNISを使っているので、専用の

    yppasswd

    コマンドによりパスワードを変更する。コマンドを入力すると、まず、現在のパスワードを聞かれるので入力する。その後、新しいパスワードの入力が促されるので、入力する。もう一回、同じパスワードを入れて間違いが無いか、確認するのでもう一度入力する。

    パスワードとして適切な文字列は、特定の英単語を含まない、同じ文字を何度も使わない、ある程度長い(7-8文字)アルファベットと数字の組み合わせであり、アルファベットだけ、数字だけというのは推奨されない。意味のない文字列を記憶するのは結構難しく、忘れてしまうことが多いが、パスワードを紙に書いてメモを残すようなことはしてはいけない。自分だけに意味のある、ランダムなパスワードをうまく見つけることが大切である。

    自分の好きなフレーズの単語の先頭文字だけを並べる、など、いろいろな方法がある。


    X Window Systemの起動

    ログイン直後のキー入力主体の画面でプログラミングなどの作業はできるが、図を表示したり、日本語を表示したりするのには、グラフィカルな画面の方がやりやすい。LinuxではUNIXで用いられるX Window Systemが利用できる。

    startx

    というコマンドでFVWM95というウィンドウマネージャが起動する。ウィンドウマネージャとはXにおいて、画面の表示を司るアプリケーションで、ウィンドウマネージャを変更することにより見た目や操作性を劇的に変化させることが出来る。本システムではFVWM95の他にはWindowMakerとよばれるウィンドウマネージャが選択できるが、インストール済みのWindowMakerは完全には日本語化されていないので、注意する必要がある。この授業ではデフォルトのFVWMの利用を前提として行う。

    FVWMが起動すると、左上の方にXtermという仮想端末が自動的に起動するようになっている。仮想端末とはXの上でコマンドを入力するための窓である。ただし、Xtermは日本語の表示ができないので、Xterm上で

    kterm &

    と入力するか、画面下側のアプリケーションランチャーの部分の、「kterm」とあるボタンでKtermを起動しておくのが望ましい。


    FVWMの終了

    画面下のタスクバーの左端にあるスタートボタンをクリックするとメニューがせりあがって来るので、「Fvwmの終了」-->「うん、ぬけるっす!」を選択して終了する。FVWMが終了すると、元のコンソール画面に戻る。


    基本的なコマンド学習

    ファイル、ディレクトリ表示

    ls (LiSt)

    により現在いるディレクトリ(ファイルの階層構造の段階を表す領域のこと、MacやWinではフォルダと表記される)にあるファイルの一覧が表示できる。ディレクトリもファイルの一種なのであわせて表示される。

    ls -l

    と-l(オプションという)をつけると、個々のファイルの詳しいデータ(ファイルタイプ、リンク数、属性、容量など)も表示される。

    ls -a

    では、すべてのファイルが表示される。通常は、.(ピリオド)で始まるファイル(ドットファイルと呼ばれる)がホームディレクトリ(ログイン時に入るディレクトリ)に置いてあり、各種の環境設定のファイルとなっているが、ドットファイルはlsコマンドでは表示されない。-aオプションにより見ることが出来る。

    オプションは

    ls -al

    の用に複数組み合わせることもできる。


    ファイルの内容表示

    cat
    more
    less

    などのコマンドによりファイルの内容を見ることが出来る。例えば、

    cat .bashrc

    less /etc/passwd

    のようにコマンドのあとに表示させたいファイル名を入力する。そのようなコマンドの後に入力する目的ファイルを引数と呼ぶこともある。catは単純に内容を表示するだけなので、画面に入りきらない長いファイルの内容は勝手にスクロールして上方に消えてしまうが、moreやlessの場合は画面の長さに合わせて内容の表示が止まるので、スペースキーを押して次ページに進む。なお、lessの場合は矢印キーで先に進むだけでなく前に戻ることも可能である。


    ディレクトリの移動

    ファイルを置いたり、見たりするときにディレクトリを移ることもある。ディレクトリを移動するときには

    cd (Change Directory)

    コマンドを使用する。

    cd /

    により、トップディレクトリ(ツリー構造の先頭)に移動でき、

    cd ~

    で自分のホームディレクトリに戻る。

    ディレクトリやファイルの位置に関しては、トップディレクトリから順番にたどって行く表記法(絶対パス)と今いるところからの関連を示す表記法(相対パス)の二通りがある。次回以降、詳しく説明する。


    コマンドの説明

    基本的に、コマンドの使用法を知りたい場合には、

    man コマンド名

    とすることにより、詳細な情報が得られる。例えば、

    man ls

    としてみて、内容を確認すること。


    停止


    UNIX系のOSではマルチユーザの利用を前提とし、また、ネットワーク利用を想定しているため、通常は電源を落とさないで、ログアウトと呼ばれる使用終了コマンドでユーザが抜けるだけで、端末を24時間動かしつづけることが多い。しかし、この教室では節電のため、また、NTの利用も行われるため、ユーザの利用が終了した時点で電源を落とすようにしている。

    通常のUNIXでは電源を落とせるのはシステム管理者だけであるが、教室の場合にはそれでは不便であるので一般ユーザでも電源が落とせるようになっている。ただし、ファイルシステムをきちんと保存してOSが終了作業を行う前に電源を落とすとファイルシステムが壊れ、最悪の場合ハードウェアが故障する場合があるので、正規の停止プロセスを守らないといけない。

    halt

    コマンドにより停止のためのファイルチェックが行われ、すべて終了すると画面に

    System halted

    と表示されるので、その表示がでた後で、電源ボタンを4秒以上押し続けて電源を落とす。電源ボタンを押すと、すぐに画面が消えてまた再び画面が明るくなる。その後、画面が暗くなる(ブラックアウト)ので、その段階が電源が落ちた状態である。途中でボタンを押すのをやめると、システム停止ではなく、いわゆるスリープと呼ばれる節電モードになるだけなので注意すること。


  3. タイプ練習

    Kterm上で、

    typist

    とコマンド入力すると、キーボード練習用のソフトウェアが起動する。キーボード入力が得意でないものは、初めのうちはこのコマンドにより練習してなるべく早くキー入力が出来るようにしておくこと。

    キーボード入力がスムーズにできないと、今後の課題の作成は時間のかかるものになってしまうので、頑張ること。


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