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ここまで,いろいろと試してみましたが,いかがだったでしょうか.今日は, Linuxがオフィスツールを活用するビジネスシーンで利用できるのかを中心に操 作を実習しました.感想はいろいろでしょうが,数年前に比べると操作性も能力 もずいぶんと初心者向けになって来ているのは確かです.まだまだ問題もありま すが,自分達が自分達で好きなものを作り公開する,というオープンソースが今 後もLinuxの基本であるのは間違いありません.足らないと思うところは,開発 者に意見を出してフィードバックすることにより追加され,問題点も修正されま す.みなさんも当事者となって開発に参加できるので,今後の利用を検討してみ て下さい.
さて,わたしが感じている問題点としては次のようなものがあります.これらに ついても,いつかは改善されるのでしょうが,なかなか難しい問題だと思います.
今日は,プリンタに出力する操作は試しませんでした.別に不具合があるわけで はないのですが,プリンタ出力はLinuxにとって鬼門です.というのも,アプリ ケーション開発者にとって開発しやすいプリンタインターフェイスが無いからで す.印刷業務においては,これは重要な問題かも知れません.結局は小ようアプ リケーションを利用するしか無くなってしまいます.
パソコンは音楽を聞いたり,映像を楽しんだり,ムービーを作ったりというマル チメディア用途での利用が急増しています.これらは,カメラやAV機器との連携 が重要で,そのためのデバイスドライバが不可欠です.また,ハードウェアの仕 様が製品毎に異なっていると,オープンソースによるデバイスドライバの開発は かなり困難です.この方面では,WindowsやMacの優位はなかなか揺るがないでしょう.
大学や高専などでは,このようなパソコン教室にLinuxが導入されるのは普通に なって来ましたが,高校以下の学校ではなかなか難しいでしょう.操作できる教 員の養成が最大の問題ですが,Windowsが操作できる教員も充実しているとは言 えない状況ですので,初等中等教育の現場にLinuxが普及するのは 難しそうです.
障害のある人にとってもパソコンは重要なツールです.キーガードや特殊マウス など障害者用の機器は小量生産ですので,元々が高価な機器になっています.そ れらのプラットフォームとしてWindows以外を選択することはさらなるコスト増 を招くので,この方面でも難しそうです.
ご面倒でも,お帰りの際にはアンケートにご協力下さい.本日は長い時間お付き 合いくださりありがとうございました.今後ともよろしくお願いします.
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